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雨と読書と気づき

2019.06.26

6月の中旬に上海も梅雨入りして、雨が降ったり止んだりの毎日です。

雨に降られての外出は億劫ですが、家の中で静かに雨の音を聞きながら過ごすのは心地良いものです。
そして、いつもより読書もはかどります。

そんな中で、とても印象深かった本が「82年生まれ、キム・ジヨン」。
放送作家でもあった著者チョ・ナムジュさんの韓国でベストセラーとなった本です。

82年生まれというと、私とほぼ同年代の、韓国人女性。

このタイトルに魅かれて何気なく購入したものの、とても胸に刺さる内容でした。
女性が社会の中で日常的に感じている違和感や戸惑い、でもいつも何となく流してしまっていた、、、そういった小さな感情のかけら達に気づかされます。

日本の女性も、きっと何かしら共感出来る内容でしょう。
また、男性達がこの本にどのような感想を持つのか、そっと聞いてみたくもなりました。

ストーリーは、精神科医が書いたキム・ジヨンのカルテ形式で進められます。
最後の解説まで読むと、より理解が深まりお勧めです。

さて、ここ上海では、日本に比べると、かなり女性が生き易い環境だと感じています。

役職のついている女性も普通にたくさんいますし、こちらで働いている中で、女性だからといって下に見られるような空気を感じたことはありません。
また、共働きが普通の上海家庭では、旦那さんがご飯の支度をする家も多いようです。
子供は、両親が働いている間、祖父母やシッターさんに手伝ってもらいながら育てるのが一般的。
昔よりは良くなったとは言え、母親が育児に専念する考え方の強い日本より、子育て中の働くママ達にとっては良い環境に映ります。

そして、上海人男性はとってもレディーファースト。
こちらに来たての頃、重い荷物を持っている時は必ずと言っていいほど、男性が声をかけて手伝ってくれることに、毎回感動したのを覚えています。

上海で働いていると言うと、「すごいね、大変そう!」と言われることも多いのですが、実は日本より女性が働き易い環境かもしれません。
周りの生き生きとした中国人女性達の様子に励まされています。

異国の地に住んでいるからこそ、肌感覚で見えてくる、自国の良いところと他国の良いところ。
それぞれの国の良いところを学びながら、次の世代のためにより良い世の中を作っていけたら、、、と、しみじみ感じた6月でした。